2024年11月7日
高圧線とは、高い電圧が流れている電線のことです。発電所でつくられた電気は送電線によって高電圧で変電所に送電され、電圧を調整した後、配電線によって住宅に届けられます。
高圧線は、一般的には鉄塔や送電線のことを指し、6,600ボルト以上の高電圧が流れています。一般家庭で使用されている低圧線は100~200ボルト程度なので、高圧線がいかに高い電圧が流れているかが分かります。
高圧線の電線下に位置する土地のことを「高圧線下地」といいます。
高圧線下地は建築制限が設けられており、建物の建築が禁止されている場合と、建物の高さが制限されている場合があります。電気事業者は土地の所有者とともに安全確保を図ることが求められ、厳しい安全基準が設けられています。
高圧線は高い場所に設置されているため、人体への影響はないといわれています。ただし、高圧線は建築制限や高圧線によるリスクの可能性などの理由から、不動産取引では「嫌悪施設」に該当します。
電気のある空間や場所のことを「磁界」といいますが、一般的には磁界は発生源から距離をとることで弱くなります。送電線の電圧が高くなるほど設備規模が大きくなるため、その分地面からも遠くなります。
ただし、高圧線は高電圧の電気が通っているため、接触しなくても感電する可能性があります。たとえば、鉄塔の近くでラジコンやドローンを飛ばすなどの際は注意が必要です。
建築制限では、高圧線の直下を含む側方3mの範囲内には建造物は建てられませんが、目に見える場所に鉄塔などがある場合は、一定以上の距離を取ると安心かと思われます。
高圧線などの鉄塔は、前述したとおり「危険を感じさせる建物」として、嫌悪施設に該当します。そのため、高圧線が近くにある土地や住宅は価格が安い傾向があり、さらに電力会社から線下補償料が支払われるケースがあります。
高圧線が敷地内の上空を横切っている場合は、居住者の敷地の上空を利用しているという形になるため、その対価として電力会社は補償料を支払います。
高圧線の近くの住宅は不動産取引においては安く取引されることが多く、金銭的なメリットが大きいという特徴があります。一方、建築制限や景観を損ねること、鉄塔の近くでは安全上のリスクがある点はデメリットです。
鉄塔があっても気にならない人もいるかもしれませんが、どうしても気になるという場合はほかの場所を検討することをおすすめします。
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