2024年10月17日
注文住宅はお部屋の広さやレイアウトを自由に決められますが、実は天井高も変えられるのをご存じでしょうか。
同じ広さのお部屋でも天井高によって雰囲気が大きく変わるため、用途や好みに合わせて考えることが大切です。
しかし天井を高くすることにはメリットだけでなく、注意すべきデメリットもあります。
現在日本の住宅では2400mmの天井高が一般的な基準になっています。これは昔の障子や襖が6尺(1800mm)だったため、2尺(600mm)プラスした高さが基準になっていると言われています。
建築基準法では居室の天井高を2100mm以上と規定していて、高くする分には制限はありません。
和室中心で畳に直接座っていた昔のライフスタイルに比べると、洋室中心でソファやチェアに座る現代は高い天井の方がマッチする可能性が高いです。実際、欧米では天井高を3メートル前後に設定している住宅がほとんどです。
私たち日本人も昔より平均身長が高くなり、テーブル・ソファ中心の生活で目線も上がっています。より開放的なマイホームを求めるなら、高い天井の住まいづくりも一つの選択肢として検討してみてください。
天井が高くなると、視界が広がって開放感がアップするのが大きなメリットです。ホテルのロビーなど高い天井のお部屋で、大きな開放感と居心地の良さを感じたことはないでしょうか。マイホームも同じです。
普段意識しなくても天井は自然と視界に入っているため、位置が高くなることでお部屋の見え方がかなり変わります。またさらに視界に入りやすい壁の面積も広くなり、余白が生まれることで開放感がアップします。
特に床面積が広いリビングなどの間取りは、高い天井による開放感アップ効果も大きくなるでしょう。床面積を変えずにお部屋を広く見せることができる、貴重なテクニックの一つです。
天井を高くすると窓の位置も上げられるため、自然光を効率的に採り入れられるのも大きなメリット。
窓の配置やサイズの自由度がアップするため、方角やお部屋の広さに合わせて採光計画を立てやすくなります。
お部屋の隅々まで自然光を届け、暗い場所を無くすことで明るく開放的な住まいをつくれます。
窓位置が高くなると暖かい空気を逃がしやすくなるため、換気効率のアップにもつながります。
現代の住まいは24時間換気が義務付けられていますが、気候の良い時期などは窓を開けて気持ち良い空気を採り入れることが出来ます。
家族みんなで過ごすことが多いリビングなど、定期的に換気したい場所でうれしいメリットです。
高い天井で圧迫感を軽減できると、デザインの選択肢が増えるのも意外なメリットの一つです。
吊り下げて使用するペンダントライトやシャンデリアは圧迫感の原因となることがありますが、高い天井のお部屋なら採用しやすいです。
壁・天井のカラー、お部屋に置くインテリアなどもバリエーションが広がり、好みやこだわりを反映しやすくなります。
天井高をアップすると材料・作業が増えるため、建築費用が高くなるのはデメリット。
また柱や外壁材などほかの材料も増えるため、全体的に費用が高くなる傾向があります。
天井が高くなると空気の体積が増えるため、その分エアコンやストーブの冷暖房効率が悪化しやすいのも注意すべきデメリットです。また熱損失が大きいガラス窓を大きくすると、さらに暑さ寒さを感じるケースがあります。
対策としては、住まい全体の断熱性・気密性を高めるのが効果的です。お部屋の体積が大きくなっても、全体をしっかり断熱対策をすることで冷暖房が効きやすくなります。
天井の高い部屋は、シーリングライト・ダウンライトなどの照明交換の手間と難易度が若干アップします。高さによっては少し大きな脚立を用意する必要があるかもしれません。
対策として、天井を高くするお部屋の照明は寿命の長いLEDを選ぶのがおすすめです。
LEDは従来の蛍光灯より寿命が長くなっていて、一般的な点灯時間なら10年前後使える製品もあります。照明交換自体の頻度を減らせば、多少手間がかかっても大きな負担にはなりません。
月別